高視聴率ドラマ「HERO」と「半沢直樹」の共通点は音楽にあった!(2)
「HERO」と「半沢直樹」、このドラマはそれぞれ主題歌がありません。
それはなぜか?
端的にいえば、
・主題歌が必要ないほど、ドラマのテーマが明確
という点にあります。
では、テーマが明確に伝わってくるのはどうしてなのか?
それは、ストーリーの内容だけでは答えにはならないのです。
HEROと半沢直樹の高視聴率を支えたもの、
それは、
・非常にレベルの高い音楽がドラマのテーマを明確にした
これに尽きます。
実は、HEROの音楽、半沢直樹の音楽を担当しているのはどちらも、
服部隆之氏という、日本で屈指の名音楽家。
服部氏による、ドラマにピッタリとマッチした音楽があってこそ、
ドラマにメリハリがハッキリと表れ、作品が引き締まっているのです。
どのような音楽だと、作品が引き締まるのか。
それは、
・セリフの邪魔をせず、役者の言葉に集中させることができる音楽
です。
例えば、HEROの、取り調べのシーンによく使われる音楽。
これには、ビートを刻む打楽器系の音は含まれていません。
検事らによる取り調べが淡々としたテンポで進むシーンに、
音楽でビートを刻むのはセリフのリズムを崩すからと考えられます。
また、HEROと半沢直樹に使われている音楽は、ある種の重厚感が印象的です。
しかしそれはただのクラシック的な重厚感ではなく、ポップス的な親しみやすさが込められています。
バイオリンなどのストリングスが重ね合わさることで、クラシック的な壮大さを感じる一方で、
はっきりとしたメロディが繰り返して奏でられることで、ポップスを聴いたときと同様、耳に残るのです。
HEROの法曹界、半沢直樹の金融業界。
どちらもガッチリと堅い業界ですが、
そんな業界をドラマにした際、我々の視聴者がそれに惹きつけられるのはなぜでしょうか。
それは、「スーツの男たちの無機質な世界」が、
各シーンの音楽によって、喜怒哀楽を豊かなものとして表現されてあるからでしょう。
ドラマにおける音楽の効果はすごいですね。
極端なところ、HEROと半沢直樹の音楽であれば、
セリフを無音にして、映像と音楽だけで見たとしても、
ドラマの起承転結がはっきりとわかるはずです。
そのくらい、ドラマにぴったりと音楽がフィットしているのです。
ちなみに、服部隆之氏は、HEROと半沢直樹だけではなく、
日本の数々のドラマの音楽を手がけている方です。
作品歴を見れば、そのすごさが一目瞭然です。
服部隆之 – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%8D%E9%83%A8%E9%9A%86%E4%B9%8B
ドラマは脚本や視聴率で語られることが多いですが、音楽の観点でみると、
また別の面白さが見えてきますね。
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